やり切れないね・・・
- 2011/06/11
- 19:55

それはJAZZに見せられた一人の人間が、自分の人生の最後に聞きたい曲を探しに行く旅。
彼はニューオリンズへ行く。
そこで葬儀にJAZZを演奏するプロミュージシャンに出会う。
日本語に訳せばJAZZ葬、以降はとある文献から。
その昔、黒人たちは生命保険や火災保険に入ることができなかった。だから"講" のような組織をつくり、その秘密結社が娯楽やチャリティー活動を兼ねた保険組織をつくったのである。
「うちのズールーお楽しみ会に入らないかい? イベントいっぱい、死んだら保険金、そしてバンドつきのジャズ葬式で昇天だよ!!」 といった具合だ。
ジャズ・フューネラルでは、まず街角のバーに集合したブラスバンドがジャズを演奏しながら葬儀のおこなわれている教会まで行進を始める。
ここでは、バプチスト派の賛美歌「今しばしここにとどまらん」などが演奏される。辺りの黒人街からは、音を聞きつけて老人から小さな子供まで葬式を楽しみにしているセカンド・ラインが集まってきて、バンドとともに葬儀のおこなわれている教会まで行進を始める。
教会の鐘が鳴り棺が出てくると、バンドは葬送行進曲「主の御許近く歩まん」の悲しげな演奏を始め、黒塗りの乗用車や黒人のやじ馬の集団とともに墓地への行進となる。
そして墓地で棺を土中に埋めてしまうと、ドーン、ドーンとバスドラムのジャズビートが鳴り響き、バンドは一転して「聖者の行進」などの陽気なジャズ演奏を始め、踊り狂う黒人たちのセカンド・ラインの一団とともに行進の始まった街角まで、通りという通りを練り歩きながら帰って来るのである。
そこでなぜこういう葬儀が行われるようになったかという理由が説明された。
それは過去の黒人が奴隷の時代において死ぬと言うことは、ようやくその惨めな生活から開放され天国に行った後は人間らしいハッピーな生活が待っているという御目出度い瞬間であるということだった。
それを公には言えないので、明るいスウィングで死者を送るという行事が行われたそうだ。
これを聞いた時にはちょっと涙、いろんなところで、いろんな意味の行事があるものだ。